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地図の旅

 パソコンでもiPhoneでも地図は見れる。すごく便利に見れる。でも、なにかが抜けいている。そう感じてました。
 デジタルでの地図はズームイン・ズームアウトも自在だし、スクロールはいくらでもできる。情報も格段に多い。そしてお手軽。
 万能なはずのデジタルマップに日頃からお世話になっているんだけど、先日「日本・世界地図帳」という紙の本を買いました。書店店頭での衝動買いです。
 それ以来、時々地図帳を開きます。読書中に出てくる地名を確認するための他、ただなんとなく。
 発見が多いんですよね、紙の地図帳。先日見つけたカナダの「サン・フランシス湖」とか面白いのもあるんですが、ただ黙ってみているだけで楽しい、ゾクゾクする。
 地図の旅。10代のころ時刻表と地図だけで旅をしていました。皆さんもやったことあるんじゃないかな。
 それとおなじ感覚。行ったことも見たこともない土地の記憶が蘇るという不思議な感覚。
 地図の旅って、もしかしたら脳内の旅じゃないのかしら。記憶の旅、潜在意識の旅。脳に張り巡らされた神経回路をめぐる旅。地図の旅は脳内を駆け巡る。
 デジタルマップがやってくれるズームやスクロールも、自分の脳内でやれてしまいます。この快感。脳が動き出す悦び。
 紙じゃないと味わえない地図の旅があるんですね。
 ジョグトリップでも、ゼッケンの内側にコース地図をプリントしてます。ジョグトリ中もじっくり見たいただきたいんですが、それにプラスして。お持ち帰りいただいたあと、数日後、数カ月後、数年後、あなたを記憶の旅を誘ってくれるかもしれませんよ。

挨拶のコツ

 おはようございます。
 挨拶してます?ジョギングしてるとき、すれ違う人に挨拶してます?
 ペースが速いと挨拶できません。「ざすっ!」になってしまいます。これは挨拶ではありません。
 ゆっくり走ってて挨拶して、向こうからも挨拶が返ってきたら気持ちいいものです。
 以前Facebookでこんな文章を読みました。
「こっちが挨拶してるのに、誰も挨拶を返さない。頭にくる」
 どう思います?
 この方はどんな声で、どんな表情で「挨拶」してるでしょうか?
 おそらく、怖い顔で、強い口調で「挨拶」してるのではないでしょうか。
 これでは、挨拶が返ってくるはずもありません。
 挨拶に見返りはいりません。こちらの「きもちいい」という都合で勝手に挨拶しているだけなんです。だから、向こうから挨拶が帰ってこなくても当たり前で、ただただ淡々とすれ違う人に挨拶の声を掛けるだけです。
 この心持ちが肝心です。
 この心持ちになって挨拶したらどんな声、どんな表情になっていると思いますか?
 おそらく、あなたは優しい声で、穏やかな顔で、挨拶しているはずです。
 そうすると、自然と(自然とです)向こうから挨拶が返ってくる確率が増えてきます。
 ですよね。当たり前ですよね。
 これを踏まえた上で、もうひとつ。
 私、実はおじさんなんです。おじさん。いやな表現ですが、おじさん。
 そのおじさんが、すれ違う若い女性に挨拶をするとき、やっちゃいけないことがあります。
 それは正面から見据えて直視すること。これをやると、怖がられます。気味悪いと思われてしまいます。ヘタすれば通報されます。イヤな世の中ですが、しかたありません。
 なので、直視しないこと。
 そして、あんまり接近して挨拶をしないこと。ビックリされますよ。
 「心理的距離」って知ってますか?関係の深さを表す4つの距離です。密接距離(0~45cm)、個体距離(45cm~120cm)、社会距離(120cm~360cm)、公衆距離(360cm以上)って、あるみたいです。
 公衆距離だと挨拶自体が伝わりません。個体距離だと近すぎます。
 社会距離(120cm~360cm)で直視せずに挨拶すると、気持よく挨拶できます。向こうも安心して挨拶を返してくれる、かもしれません。くれぐれも見返りを期待してはいけません。下心も厳禁です。

移動速度と見えてくるもの

 ゆっくり移動することで見えてくるものがある。
 平戸でのジョグトリップコースに川内峠があります。そこを夫婦でジョグトリされた方がおっしゃってました。
「ツーリングで通ったことがあるけども、ぜんぜん違う。すごく感動した」と。
 両側を森林に囲まれたゆるい上り坂を抜けると、いきなり視界が開けて川内峠の雄大な光景が広がります。自分の足で移動しているいうことと相まって、ゆっくり走ることで見える感じる風景が違ってくるのだと思います。
 私自身も早朝から一人ジョグトリしながらiPhoneで写真を撮るのを趣味にしてるんですが、一歩二歩戻って光景を確認することが頻繁にあります。ちょっとした視野の違いが写真を作るんです。
 ゆっくり動くことで何気ない光景を発見できて、後戻りも容易になります。風景を眺めてそれを「いいな!」と認識するまでにはタイムラグがあります。約2〜3秒。
 もし移動速度が速かったらそのタイムラグの間にかなり進んでしまい、後戻りが困難もしくは億劫になってしまいます。そもそも、その風景も発見できないかもしれない。
 新しい発見は自分自身を活性化します。
 だから、ジョグトリペースはいいんです。

今朝のお題は「アナゴ」「上昇」「中毒」そして「ジョグトリップ」

 アナゴは自分の土俵に上がれば強い。蒲焼きではウナギに負けるけれども、江戸前寿司ではアナゴが勝利者です。
 同じように、ジョグトリップも規模とか記録では他のマラソン大会に及ばないけれど、ゆっくり楽しんで走るという土俵ではおそらく日本一。参加ランナーの人としてのレベルの高さも、他の大会に比べてダントツに高いはずです。
 ジョグトリップにはリピーターさんがたくさんいらっしゃる。もう中毒といってもいいのかもしれませんが。
 その中毒になるまでに過程があったりします。
 ワープ・ショートカットを使ってゴールされた方がよくおっしゃる言葉に「鍛え直してまた参加します」というのがあります。それに対して私が応える言葉は「鍛え直さないでください」。
 人はどうしても進歩・発展・上昇しようとする性質を持っています。人間が進化していく過程で身につけた素晴らしい性質でしょう。
 でも、ジョグトリップでは上昇しなくていいんですよ。
 そして、この過程を経てジョグトリ中毒になっていくのです。

ゆっくり走れば強くなる!

  「ワープする読み物」で三題噺をやってみたいなぁと思ってて、探したらiPhoneアプリの「三題噺」というのを見つけました。で、起動したら、いきなり「マラソン」「眠れる」「スカウト」の三題が示されました。びっくり。それでは、始めます。
 「ゆっくり走れば速くなる」という本が一時期話題になったことがあります。その本は、本格的なトレーニングの一つとしてゆっくり走ることを取り入れる趣旨だったと記憶してますが、私にもそれに似た経験がありますので披露いたします。レベルこそ天と地ほど違いますが。
 40歳を目前に控えたある日から走ることに目覚めて、けっこうまじめにロードをジョギングしてました。たしかキロ8分超で走っていたはずです。まあ、ゆっくりペースですよね。
 それから約1年たった時、当時の職場の駅伝チームが地元の大会に出場しまして、私が1区を任されました。無謀だと思ったんですが、「まあいいか、任せたほうの責任だもんね」と思い承諾しました。
 それまで大会なんてものに出たこともない人間でしたので、どんな格好をしたらいいかも分かりません。なので監督に訊いたら「ランナーはランニングシャツに短パンだ」とのこと。信じましたよ。私、素直だから。
 1月初旬の寒風吹きすさぶ中、ランシャツに短パンでスタート地点に並んだ私。で、他の選手を見たら、長袖の人ばかり。半袖の人もいましたが、肩丸だしのランニングシャツを着ているのはほぼ私一人。そして皆さん、手袋をしてるじゃないですか。ずる〜い。
 号砲は待ってくれません。私は一番後方から恐る恐るスタートを切りました。
 途中、雪も降り出しました。肩も手も凍えてきます。監督を恨みましたよ。
 でも、なんだか調子いい。意外と速く走れている。中位置くらいで襷を渡しました。
 結果的にはキロ4分ちょうどくらいのタイムでした。日頃キロ8分くらいでしか走ってないのに、キロ4分で走り切れた。ちょっと自分でも衝撃でした。びっくり。
 そのとき「ゆっくり走れば速くなる」を実感したんです。レベルは違いますよ、レベルは。繰り返し言いますが。
 で、ジョグトリップ。
 参加資格に「ゆっくり走れる方」を謳い、じっさい皆さんにはゆっくりのんびり走ってもらってます。
 もちろん、まったく走ったことがなくてジョグトリップに参加し始めた方も多数いらっしゃいます。
 そんな方たちが、すごいことになってたりするんです。1年から2年位のうちに100キロ超ランナーとなり、それもそこそこのペースで走りきれるスーパーランナーに変貌を遂げたりしてるんです。決してスーパー速いってことはないんですが、確実に「強い」ランナー。(それでも、ジョグトリップ参加の時はゆっくり走ってもらいますけどね)
 そんな方たちを見ていて思ってるんです。「もしかしたら、エリートランナーを目指している人にもジョグトリペースは有効なのではないか?」
 高校生くらいのうちにジョグトリップに参加して(保護者同伴!)徹底的にゆっくり走り込んで体の器を大きく強くしておいたら、眠れる才能が目覚めて、大学社会人と進むにつれてすごく速くなるんじゃないか。大器晩成。
 あくまでも素人の戯れ言ですよ。仮説。でも、そのうちジョグトリッパーに実業団からスカウトが来たりしたら楽しいなぁ、と夢想するわけです。
 以上、「マラソン」「眠れる」「スカウト」の三題噺でした。お粗末。  

線引き10年〜道案内の矢印にまつわる物語

 コーセーさんに言われたことがあります。「線引きがうまい」「最小限の白線で、ランナーにはっきりわかる」。
 嬉しい評価でした。
 2004年に平戸で始まって以来の白線引きには、年季が入ってます。思いつくままに挙げてみると。
・ライン引き機(っていうのかな)を往復で転がすこと
・「こっちで間違いないよね」という確認のラインと、「どっちかなぁ」という選択のラインと、「ここで曲がりますよ!」という誘導のラインがある
・線を引く時には堂々とキビキビと!
・複数の線を引く際は、視線移動の方向と誘導の方向を一致させる
・滑らかな表面よりも、ちょっとゴツゴツした表面を選んで引く
・近隣の家々に迷惑がかからないように
・ゆっくり走った時にだけ気づく程度の白線 
 等々、そのココロは、参加者の目線・心理を想像して考えて引くこと。
 白線は導線です。安全にコースをトレースしてもらうための導線。道の右側を通るのか左側を通るのかの選択も、スムーズなコース取りには大切なポイントです。
 ひとつ気づいた点があります。
 きっちりと白線による道案内ができはじめると、参加者の方はそれに頼りきってしまい、ゼッケン内側の地図もなかなか確認しなくなる、という点です。これはなかなか示唆に富んだ事象です。
 ここからワープいたします。

 ジョグトリップ中は白線の矢印通りに走行していただきたいんですが、生き方についてはまた別かなと思っています。
 矢印通りの人生は送らないでほしい、と。
 人が引いた矢印かもしれないし、自分で引いた矢印かもしれないけれど、既に引かれている導線に従って歩んでいくことにはリスクが伴います。もしかして、間違った方向に行ってないのか、他人のゴールを目指してないか、他の目的で引かれた矢印じゃないのか、などなど。
 なので、人生を歩むときは矢印を盲信せず、よく自分の頭で考えて、全体の地図を俯瞰して進んで行ってほしいなと思うわけです。以上、駄文。

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